第4回 日本奥山学会野外イベントのご案内
(一般の方もご参加いただけます)
六甲山系は昭和の初め禿山になったのですが、摩耶山は昨年奥山学会のハイキングで行った再度山と共に、ほぼ原生のまま残っています。
今年は11月24日(日)に摩耶山へ奥山学会懇親会ハイキングを開催させて頂きます。
参加費 会員500円 非会員1000円(保険料込) 会員の紹介で2人まで会員価格で行けます。
ご参加頂ける方は奥山学会事務局まで申し込みお願いします。
ご参加頂ける方は
日本奥山学会事務局((一財)日本熊森協会内)
電話:0798-22-4190
mail: contact@okuyama-society.org まで氏名、電話、メール、奥山学会会員・非会員、居住地(市町村まで)をご連絡下さい。
摩耶山を懇親会のコース選んだ理由として
①ハイキングレベルが初心者レベルであること
②近くにケーブル、ロープウェイがありエスケープしやすい
③摩耶の巨木、行場、湧水などを楽しんでいただける。
JR灘駅改札口(9:00)、阪急王子公園駅西改札口(9:30)集合で、阪急王子公園駅(16:00)解散を予定しています。※王子公園駅からJR灘駅までは徒歩7分です。
巨木、行場、湧水、茶畑などを見ながら、奥山に近い環境を自然を味わっていただき、解説を交えながらゆっくり歩きたいと思っています。
歩行距離は約10.5km。ゆっくり歩いて登り3時間半(うち、約30分は一般道)、下り約3時間(コースタイムは1時間半)ぐらいです。
一般には知られていない杉の巨樹なども見て頂きます。
統計学研究者の山上俊彦先生(本学会員)が、2023年にクマの駆除数が極めて多かった北海道、秋田県を研究され、併せて、指定管理鳥獣にクマを追加すること等が検討された環境省の検討会等を緊急分析されました。
その内容を以下にまとめておられます。ぜひお読みください。
ヒグマ生息数推定値についての疑問点 2024 年8月12日 ダウンロード:PDF
Problems and questions about brown bear population estimates August 12, 2024 Download:PDF
青井俊樹氏プロフィール:岩手大学名誉教授。学生サークルの北大ヒグマ研究会でクマの魅力に取りつかれ、卒業後の北大演習林勤務中はヒグマの生態を、岩手大学農学部に移籍後はツキノワグマの生態と、住民とクマとの共生を目指した活動を開始、現在も継続中。
【お申込み先】
参加ご希望の方はお問い合わせフォームより、「第13回研究発表会参加申込」と明記の上、お申し込ください。
フォームズからのお申込み→ https://ws.formzu.net/sfgen/S623082004/
上山高原は兵庫県と鳥取県の県境に位置し、扇ノ山麓にある1000m級の溶岩でできた高原。そこはイヌワシやギフチョウなど貴重な野生動植物の宝庫で、四季を通して美しい表情を見せます。兵庫県にありながら5月中旬まで残雪が残り、その後のブナをはじめとする広葉樹の新緑が素晴らしいところです。また、眼下に山並みと日本海を望むことができ、山陰海岸ジオパークの山と海が隣接しています。兵庫県に残った最後の秘境ともいえる場所に私たちと行ってみませんか?
2024年6月9 日(日)10:00集合
15:00観察会のみ参加者解散予定
16:30扇ノ山ハイキング参加者解散予定
※観察会のみ参加の方は基本、車移動のみです。ハイキング参加の方は山登り経験者が対象となります。
集合場所:上山高原エコミュージアム入口
(兵庫県美方郡新温泉町石橋757-1(上山高原ふるさと館内))
※集合場所へは各自車で行っていただくことになります。
車を出していただける方で乗合可能であれば助かります。
自車がない方は乗合できる可能性があるのでご相談ください。
解散場所:上山高原三角点下広場(観察会のみ参加者)
シワガラの滝入口駐車場(扇ノ山ハイキング参加者)
参加費(レジャー保険費含む)
学会員600円(学会員1名につき非会員2名まで紹介受付)
一般1100円
【お申込み先】
日本奥山学会事務局 お問い合わせフォームより6月9日参加希望とお申込みください。
2024年度奥山研究助成金の助成先を募集します。詳しくは募集のページへ
10年ほど前、統計学がご専門の日本福祉大学教授(当時)の山上俊彦先生(本学会員)が、当時、都道府県行政が発表しているクマの生息推定数の計算方法をチェックされたところ、いずれも計算方法に問題があり、かなり過大推定になっていることがわかりました。(日本奥山学会誌vol.4(1)2016掲載)
以後、先生は、毎年、全国都道府県のクマの生息推定数が妥当か、チェックされています。
その最新資料を本学会にご提供いただきましたので掲載します。ぜひお読みください。
「空間明示型標識再捕獲法を用いたクマ類生息数推定の問題点」2023年8月17日 山上俊彦
2023年11月26日(日)
場所 兵庫県神戸市
時刻 元町駅(9:30)集合 新神戸駅(16:00)解散予定
参加費 会員:200円+保険料100円
非会員:500円+保険料100円
持ち物 飲み物、お弁当、タオル、保険証
服装 長袖長ズボン、帽子、スニーカー(トレッキングシューズがあれば尚可)
自然環境を味わいつつ、解説を交えながらゆっくり歩きます。ゆっくり歩いて登り2時間半(コースタイムは1時間半)、下り2時間(コースタイムは1時間)ぐらいで、歩行距離10kmぐらいのコースです。ご関心のある方はぜひご参加ください。
【お申込み先】
日本奥山学会事務局 お問い合わせフォームより11月26日参加希望とお申込みください。
TEL 0798-22-4190 FAX 0798-22-4196
第12回日本奥山学会研究発表会を7月2日に神戸大学にて開催しました。
69名の方が参加され、盛会に終えました。
記念講演では、「国有林を守る」と題して、日本の天然林を救う全国連絡会議事務局長の渡部康人氏が、林野庁による国有林内の天然林伐採を次々と阻止してきたご経験をもとに、具体的にどのように伐採から天然林を守るのか、守るための提言をお話くださいました。この場だからこそ言えると会津弁で熱く語られるお話に、会場は時には驚きのため息、時には笑顔。
研究発表では、まず、大阪昆虫同好会、里山からの手紙代表の奥津晶彦氏が、「奥山の森林伐採がもたらす影響を身近な環境から学ぶ〜樹木伐採された明石公園を例に〜」と題して、樹木を伐採したことによる環境と生き物の変化について発表されました。次に、(一財)日本熊森協会主任研究員の水見竜哉氏が、「絶滅が危ぶまれる四国ツキノワグマのための餌場造り(於:高知県剣山系奥山人工林)」と題して、大型野生動物が生息する人工林の自然林化5年の取り組み成果を発表しました。
(一財)日本熊森協会研究員の羽田真尋氏は、「宮城県風力発電計画地における野鳥の生息調査」と題して、計画地に希少な野鳥が近接して生息している実態を報告しました。
参加者アンケートからは、「質が高く、濃い内容で具体的な情報が得られ、大変有益だった」「具体的な研究調査、保全の実践・実績の話を聞けて、大変勉強になり、また希望を持てました」「具体的事例に基づく話は今後を考える上で大いに参考になる」などの声がありました。
研究発表会で発表された内容は、次号学会誌にまとめて発行する予定です。
参加ご希望の方はお問い合わせフォームより、「第12回研究発表会参加申込」と明記の上、お申し込ください。
日時 2023年7月2日(日)13:00-17:00
場所 神戸大学 六甲台第2キャンパス 文学部(人文学研究科) B棟B331教室
定員 100名
参加費 500円(学会員・学生は無料) *学会員募集中 年会費5000円
【記念講演】
「国有林を守る」
日本の天然林を救う全国連絡会議事務局長 渡部 康人氏
プロフィール:福島県南会津町在住。長年、林野庁による国有林内の天然林伐採を次々と阻止し、会津に日本最大級の「奥会津森林生態系保護地域」、「会津山地緑の回廊」を設置させた。2022年8月に「会津山地緑の回廊」に計画された「会津大沼風力発電事業」の阻止に尽力、計画は発表後わずか2週間で白紙撤回された。
【研究発表】
「奥山の森林伐採がもたらす影響を身近な環境から学ぶ〜樹木伐採された明石公園を例に〜」
大阪昆虫同好会、里山からの手紙代表 奥津 晶彦 氏
「絶滅が危ぶまれる四国ツキノワグマのための餌場造り(於:高知県剣山系奥山人工林)」
日本熊森協会 主任研究員 水見 竜哉 氏
「宮城県風力発電計画地における野鳥の生息調査」
日本熊森協会 研究員 羽田 真尋 氏
【お申込み先】
日本奥山学会事務局 お問い合わせフォーム
TEL 0798-22-4190 FAX 0798-22-4196
(記念講演)
●北海道大学文学研究院助教
立澤 史郎 氏
「シカ問題を問い直す~生態研究から見えてきた多様な”共存”~」
(研究発表)
●大阪市立大学名誉教授
高田 直俊 氏
「モリアオガエルの池の土石流からの保護について」
●富山大学 理工学教育部 生物学専攻
優真 氏
「ナガレヒキガエルBufo torrenticolaの生息状況と出現に影響を及ぼす環境要因の予測」(2021年度日本奥山学会助成研究)
(報告)
●日本熊森協会 羽田 真尋 研究員 「再エネ開発により失われうる東北の奥山」
主催 日本奥山学会
申込先 日本奥山学会事務局
TEL:0798-22-4190
FAX:0798-22-4196
メール:contact@okuyama-society.org
7月に開催予定だった日本奥山学会研究発表会が延期になりましたが、2019年度に研究助成に応募され採択された研究の発表会をオンラインで開催いたします。
ご参加ご希望の方は日本奥山学会事務局までお知らせください。
第9回日本奥山学会研究発表会(2019年度助成研究)
発表研究
「シロヨメナの生育密度に伴う競争環境の変異がニホンジカの嗜好性に与える影響について」
弘前大学 農学生命科学研究科 (助成当時) 大崎 晴菜 氏
日時 2020年12月12日(土) 13:00-14:30
お申込み先 日本奥山学会事務局
TEL 0798-22-4190 FAX 0798-22-4196
Email contact@okuyama-society.org
*参加お申込みをいただいた方にZOOMのIDとパスワードを送ります。
※googleドキュメントで開かれますので、ダウンロード・印刷してご使用ください。
担当 今井
新型コロナウイルス感染拡大を受けて7月5日に開催予定だった
第9回日本奥山学会研究発表会の開催を延期いたします。
延期後の開催日程に関して決定次第、またウェブサイトなどで発表いたします。
※googleドキュメントで開かれますので、ダウンロード・印刷してご使用ください。
担当 今井
日本奥山学会 奥山研究助成金は、奥山の保全・再生に有益な研究・活動等(奥山生態系、林業、水源、鳥獣対策、奥山利用の歴史、法整備、文学、災害等)に携わる学部生・院生など主に若い研究者に対して助成を行う事業です。2019年度は下記募集要項のとおり助成対象を募集します。
ご案内(チラシ小)
募集要項(第1回日本奥山学会助成金)PDF
応募用紙(第1回日本奥山学会助成金)PDF
応募用紙(第1回日本奥山学会助成金)ワード版
お問い合わせ先
日本奥山学会事務局
TEL 0798-22-4190 FAX
0798-22-4196
email contact@okuyama-society.org
日時:2018年12月2日(日)13-17時
場所:関西学院大学 法科大学院 模擬法廷
定員:80名 参加費:500円(学会員・学生無料)
参加お申込み:日本奥山学会事務局
TEL:0798-22-4190 FAX:0798-22-4196
絶滅の危機にある四国のツキノワグマ。今生息地で何が起きているのか…?
四国でツキノワグマが絶滅の危機にある原因は?その解決策は?
野生動物との共存の道を探るため、市民が行う実践活動とは?
是非、講演および発表会を聞きに来てください。
記念講演は、NPO法人四国自然史科学研究センター センター長
谷地森 秀二氏に「しらべてわかった?四国の獣」というテーマでお話しいただき、その後、四国で長い間山を見続けてきた、元徳島県木頭村村長
藤田 恵氏にも「拡大造林で壊れ続ける四国の山と川」というテーマでお話いただきます。
3件の研究発表では、一般財団法人日本熊森協会の京都府の京北エリアにおける植樹と植樹地のメンテナンスについてその10年の実践発表や、兵庫県宍粟市原集落での自然林再生の取り組みを発表します。
日時:2018年7月8日(日)13-17時
場所:関西学院大学 法科大学院 模擬法廷
定員:80名 参加費:500円(学会員・学生無料)
参加お申込み:日本奥山学会事務局
TEL:0798-22-4190 FAX:0798-22-4196
メール:contact@okuyama-society.org
7月2日、第6回研究発表会を開催しました。
記念講演では、自然保護訴訟で大変有名な市川守弘氏にお話しいただきました。
弁護士でありながら、自然を守るために自ら調査を行われています。
「皆さん、こんな現場を目撃したら、先ず何をしますか?」
と木が伐採され、山の地肌がむき出しになった写真をみせられました。
市民が何をすればいいのか具体的なお話をしてくださり、質疑応答の時間も議論が活発に行われました。
研究発表では、鳥取県八頭町にある八東ふる里の森で館長をされている、高田豊実氏が、話され、野鳥が森に戻ってくるために、様々な取り組みをされたことを報告しました。
一般財団法人日本熊森協会の水見竜哉氏が、防鹿柵の中の植生回復について話されました。柵の中では、植樹した木も成長したが、それ以上に他の動物によって種子が運ばれ、植生が回復してきている様子を報告しました。
一般財団法人日本熊森協会の家田俊平氏は、自動撮影カメラに映った動物を分析し、現在兵庫県の奥山がどのような状態になっているのか報告しました。
今回の発表会の様子は、また学会誌を発行し、ご報告します。
2016年7月に開催しました、第5回研究発表会の報告として、
日本奥山学会誌第5号を発行しました。
ご希望の方は、日本奥山学会事務局までお問い合わせください。
<掲載内容>
「協働による森林生態系管理―赤谷プロジェクトを事例としてー」
上智大学大学院 伊藤 純子
「野生ツキノワグマの飼育からわかった行動と食性(2015-2017)」
野生ツキノワグマの飼育からわかった行動と食性(2015年-2017年)前編p12-23.pdf
野生ツキノワグマの飼育からわかった行動と食性(2015年-2017年)後編p23-30.pdf
一般財団法人日本熊森協会 水見 竜哉
「岐阜県における『きらめ樹間伐』の実践と効果」
一般財団法人日本熊森協会 岐阜県支部 松浦利重
今年の日本奥山学会研究発表会記念講演が決定しました。ぜひご参加ください!
記念講演
講師 市川守弘氏 (弁護士)
テーマ「日本の天然林をどう守るか・・・その法的手段を探る」
日本で天然林を保護するために必要な法的手段とは?違法場彩、過剰伐採に対する住民訴訟の過去の事例より、国際環境法からのアプローチの可能性も含めてお話頂きます。えりもの森訴訟、やんばる訴訟など自然保護訴訟を数多く手がけてこられた先生のご講演です。
研究発表:
「奥山・里山」 高田豊実(八東ふるさとの森館長)
「防鹿柵の中の植生回復」 水見竜哉 (一般財団法人 日本熊森協会)
「兵庫県の奥山における野生動物の生態」家田俊平(一般財団法人 日本熊森協会)
日時:2017年7月2日(日)13:00-17:00
場所:関西学院大学 法科大学院 3階模擬法廷
参加費:500円
お申込み先:日本奥山学会事務局
tel 0798-22-4190 fax 0798-22-4196
mail: contact@okuyama-society.org
現在、2017年7月2日開催予定の日本奥山学会研究発表会における発表者を募集中です。
研究テーマ:森林、野生動物、保全・保護活動など奥山に関すること
時間:10-20分程度
場所:関西学院大学法科大学院 講義室(兵庫県西宮市)
発表をご希望の方は、TEL 0798-22-4190 または、contact@okuyama-society.org にご連絡ください。
今年の日本奥山学会研究発表会は2017年7月2日(日)に開催します。
第6回 日本奥山学会研究発表会
内容:奥山研究者による講演および研究発表
日時:2017年7月2日(日)13:00-17:00
場所:関西学院大学法科大学院 講義室
日本奥山学会誌Vol.4(1)2016の山上俊彦氏の「最近のクマ類生息個体数推定を考える」において記載の誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
7月10日、関西学院大学法科大学院において第5回日本奥山学会研究発表会を開催しました。80名の方にご参加いただき盛会裏に終えることができました。
清和研二氏には、記念講演をしていただき、天然林に様々な種が混在しているその仕組みを、大変分かりやすく、説明頂きました。改めて自然の複雑さについて知ることができ大変興味深かったです。
日本熊森協会の東京都支部の伊藤純子氏は、国有林「赤谷の森」を対象に、地域住民と関東森林管理局、日本自然保護協会の3つが協働して、生物多様性の復元と持続的な地域づくりを進める取り組みについて発表くださりました。
日本熊森協会の岐阜県支部では、巻がらし間伐の成果について松浦利重氏が、そのやり方と実践後の成果について映像を交えながら発表されました。
日本熊森協会本部では、2015年より保護飼育しているツキノワグマの観察から分かったことを発表しました。
来年も7月頃を予定していますので、ご参加ください。また、来年の発表者を募集しています。天然林について研究されているかた、野生動物の生態について研究されているかたは、発表してみませんか。
2015年7月12日に開催した第4回日本奥山学会研究発表会をまとめた日本奥山学会誌Vol4(1)2016を発行しました。掲載内容は以下のとおりです。定価800円(税込)
記念講演
「教えて生かす―切り札はベアドッグ」一般社団法人羆塾 岩井基樹
研究発表
「最近のクマ類生息個体数推定を考える」日本福祉大学 山上俊彦
「日本の川にはもう棲めません!」渓流釣人 関亥三郎
「ナショナル・トラストの歴史と変容」公益財団法人奥山保全トラスト 米田真理子
ご購入お申込みの方は、日本奥山学会事務局までお問い合わせください。
TEL:0798-22-4190 FAX:0798-22-4196
email: contact@okuyama-society.org
2015年7月12日 第4回研究発表会
時間:13:00~17:00
於:関西学院大学法科大学院 (定員80名)
記念講演:「Now! Let's teach our bears well.
-- 教えて生かす、切り札はベアドッグ」
岩井 基樹 氏(一般社団法人 羆塾)
研究発表:
「渓流魚はどうなる?」「最近のクマ類生息個体数推定を考える」「ナショナル・トラストの歴史と展望」など
お申し込みは、日本奥山学会事務局まで
TEL:0798-22-4190 FAX:0798-22-4196
email: contact@okuyama-society.org
延べ80名の参加者が関西学院大学法科大学院の講義室に一堂に会しました。
記念講演では、中根周歩先生がたくさんのデータを基に、放置人工林を天然林に戻すと土壌の保水力を高めることを示してくださいました。「間伐一本で70リットル保水力増」という言葉がとても印象的でした。
特別講演の高槻成紀先生は「シカ問題は森問題」として、植生とシカの関係についてお話しくださいました。とても印象的だったのは、先生の生き物や自然に対する考え方でした。「リンク」(生き物のつながり)について「はなつまみ者」と思われがちな虫達の自然界での働きも示してくださいました。
調査発表としては、松枯れ対策に炭まきが有効だと考え、活動している群馬県の川嵜實氏が実践の結果を発表されました。他にも岡山県の高野信男氏が自身で行っている間伐活動によって自然林が戻って行っている様子を報告しました。野生動物に関する調査では、家田俊平氏が、人間がシカの死骸を放置していることや、熟した柿の実を収穫せずにいることでツキノワグマの食性が変化しているということを、自動撮影カメラや痕跡調査から示しました。
2つの講演と、3つの研究発表、報告を行います。
現在、全国で大問題となっている奥山人工林問題やシカ問題の権威である研究者の方々にご講演いただきます。
広島大学名誉教授の中根周歩先生が、「水源の森としての奥山保全の意義」という演題で、麻布大学教授の高槻成紀先生が「シカ問題は山問題ーシカと植物の関係という視点から」という演題で、ご講演くださいます。
中根 周歩:
1947年生まれ。大阪市立大学大学院理学研究科博士課程修了・学位取得。日本生態学会の幹事長、学会誌編集委員長などを歴任。2000 年代には、国土交通省が計画した吉野川可動堰の代わりに、放置人工林を適正に間伐することにより、土壌浸透能が回復し、森林の治水機能が改善するという”緑のダム”構想を膨大なデータをもとに提唱し、国交省や林野庁に衝撃を与えた。
高槻 成紀:
1949年生まれ。東北大学大学院理学研究科卒。シカの研究者がほとんどいなかった約40年前から、宮城県の金華山のシカを、その後、岩手県五葉山のシカを研究し、大学院生を指導しながら、ヒグマ、ツキノワグマ、ニホンザル、タヌキなどの生態学研究も手がけるほか、スリランカのアジアゾウ、中国のジャイアントパンダ、モンゴルのモウコガゼル、タヒ(野生馬)なども研究する。自然から動物を切り取るのではなく、自然の中にあるままの動物をよく観察するという姿勢で、生き物はお互いにつながって生きていることのすばらしさを記述し、その成果を社会に伝えている。著書に「シカの生態誌」(東大出版会)、「野生動物と共存できるか」、「動物を守りたい君へ」(いずれも岩波ジュニア新書)等。
販売終了しました。
2012年に開催された第1回日本奥山学会研究発表会の報告として、
「第1回日本奥山学会誌」を昨年末に発行いたしました。
今後昨年の第2回日本奥山学会の学会誌も発行していきます。
購入をご希望の方は、日本奥山学会事務局にお問い合わせください。
定価800円
第3回 日本奥山学会研究発表会を 2014年
6月 29日 (日) に関西学院大学(兵庫県西宮市)で開催します。
現在、研究発表および実践発表をする方を募集しています。
申し込みは日本奥山学会事務局お問い合わせまで
締め切りは2014年4月30日(水)です。
たくさんのご応募お待ちしています。
学会開催地の兵庫県西宮市は、この日、1時間の降雨量78ミリという、朝から観測史上最多の猛烈な雨。JRが
ストップするなど交通機関に大きな乱れが生じました。
傘を差しながらの案内係
こんな中、学会発表会を開催。人間活動による気候変動のしっぺ返しを思いきり知らされながらスタートしました。
「日本奥山学会は、奥山保全・再生に向けて、国の政策を、野生動物たちの生命を尊厳する方向に転換させるため、勇気ある使命感にあふれた研究者の発掘・育成を行います。
化石燃料を燃やすことによって出てくる硫酸や、自動車の排気ガスから出てくる硝酸などの大気汚染物が、樹木の根を枯らしたり、根に土中の水や養分を与える役目を果たしている菌根菌を殺していると言われます。市民
として、それらの仕組みなどを、今日、勉強しましょう。
市民が力をつけないと、衆愚政治になってしまい、国が正しい方向に進めなくなります。」(日本奥山学会 森山会長のあいさつから)
「みなさん、日本奥山学会の会員になってください」
(日本奥山学会を指導してくださっている、元広島大学教授西川先生のあいさつから)
●記念講演 「菌類が支える森」小川眞氏(大阪工業大学客員教授)
「まず、地球環境を守らないと、人間は守られないよ。大昔、石炭ができたのは、当時、地球上に菌類が
いなかったからだ。今、ナラ枯れで、100年200年の木がどんどん枯れていっているが、100年200年の間
全く起きなかった地球環境の変化が起きているということだ」
地理的にも年代的にも巨大なスケールの話が続きました。目の前の小さな事ばかりに気を取られていて
は、大きな流れがわからなくなるということがよくわかりました。
休憩時間に、小学校5年生の「キノコ博士」が、あこがれの小川先生にごあいさつ
●特別講演 「ミツバチの失踪とネオニコチノイド系農薬の関係」 山田敏郎氏 (金沢大学教授)
DDTを発明した人は、ノーベル賞をもらったが、今や、DDTは使用禁止になっている。ネオニコチノイド系
農薬の害は、これまでの農薬と比べて格段に大きい。早く使用禁止にしないと、取り返しのつかないこと
になってしまう。
●研究発表
〇「日本の養蜂業の現状」 尾崎幸仁氏(大阪府立園芸高等学校)
農薬を使用している水田の近くでは、ハチが飼えない。養蜂業者はみんな知っている。
・「シカの食害から植生を守る」丹下研也氏(大阪自然環境保全協会会員)
シカよけ柵で完全に囲った土地に緑がよみがえったが、草が大きくなり過ぎる。ある程度のシカが、自然
生態系には必要であるとわかった。
〇奥山保全・再生実践活動報告(日本熊森協会)
「人工林皆伐地の広葉樹林化」斉藤義人
「自動撮影カメラを用いたクマの生態調査」家田俊平
日本奥山学会 室谷副会長
本来、自然は刻々と変化していくものだが、現在、どんどん悪いほうに変化していっている。森の中から
多くの生き物たちが消えていっているのは大変な事態が起こっているということだ。このような問題に対
して、本日の講演や研究発表が、対策へのヒントをいくつも示してくれた。
<最後に>
第2回発表会も内容がすばらしく、参加者一同から、大変高い評価を受けました。また、会場の質問者
の質問内容が、どれも的確で、発表者の発表内容の理解を深めるのに大変役立っていたことが印象に
残りました。
準備してくださったみなさん、参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
2012年8月26日、元広島大学教授西川節行先生のご指導を受け、奥山における生物大量消滅の現状調査や原因究明、奥山復元・再生方法の研究などに取り組む研究者の発掘・育成をめざして設立された日本奥山学会が、大学の教室を借りて、第1回の研究発表会を持ちました。
■記念講演 大森禎子先生
「大気汚染の硫酸におけるマツ、ナラ、タケの立ち枯れー木炭による立ち枯れ防止ー」
■特別講演 金井塚務先生
「陸生哺乳類と河川生態系を巡る保護のあり方ー細見谷渓畔林におけるツキノワグマ研究の観点からー」
3名の研究者のみなさんが、それぞれすばらしい発表をしてくださいました。また、熊森協会のスタッフたち3名も、これまでの活動報告を短くまとめて発表させていただきました。
奥山生態系の大荒廃と復元・再生に関する研究発表の場を設けさせていただいたことによって、研究対象物に負担をかけないという研究者としての倫理観をしっかりと持ち、中立の立場で、自身の良心に従って正義感いっぱいに自由に奥山研究をすすめる研究者が発掘・育成されることを願っています。